はちみつを金属スプーンですくうと、金属が溶ける、栄養が壊れる、金属臭がするといった情報を見かけて、「金属スプーンって使っていいの?」と気になったことはありませんか?
この記事では、金属スプーンがNGといわれている理由や実際の影響はどうなのか、スプーンの素材や使用時の注意点、はちみつで本当に気を付けたいポイントをまとめました。
はちみつに金属スプーンを使ってもいい?

はちみつを金属のスプーンですくって食べる程度の使用では、問題ありません。
はちみつは弱酸性食品ですが、日常的にスプーンですくう程度では、金属と反応して品質が大きく変わることはほぼありません。
家庭での使用レベルでは、過度に心配する必要はありません。
注意したいのは、はちみつの入っている瓶の中に金属スプーンを入れっぱなしにするような長時間接触させるような使い方で、このような使用は避けた方が良いです。
条件付きで問題が出るため、正しく理解することが大切です。
はちみつに金属スプーンがNGといわれる3つの理由

なぜ、はちみつを金属スプーンで食べてはいけないといわれるのでしょうか。
理由はとして多いものは3つあります。
①はちみつの酸に金属が溶ける?
はちみつはpH3~4程度です。pHは7が中性で、それより低いと酸性を示すため、はちみつは弱酸性の食品に分類されます。酸が金属に反応し、金属を溶かしてしまうのではないかという考え方から、金属スプーンはさけるべきといわれており、長時間の使用ではその可能性があり長時間触れる状態は避けた方が良いです。
②金属臭が移る?
長時間金属に触れていると、わずかに金属臭が移ることがあります。
特に繊細な香りのはちみつでは、花の香りやコクなどの風味が損なわれると考えられており、木製のスプーンやハニーディッパーなど使われるのはこのためです。
③酵素が壊れる?
金属が酸化して酵素が壊れるという情報をみたことがありますが、これは誤解です。
金属のスプーンが短時間で触れた程度で壊れる可能性は低く、むしろはちみつの酵素は高温や加熱、湿気などの影響を受けやすいとされています。
金属スプーンがNGではない理由

いろいろな情報をみるとはちみつの酸と金属が触れて反応することで、問題が起こると書かれているものもあります。
確かに長時間の使用では問題が起きる可能性がありますが、短時間の使用では問題はありません。
ここでは日常使いの金属スプーンがダメではない理由を3つ、それぞれ解説していきます。
①はちみつの酸
はちみつはグルコン酸やクエン酸、リンゴ酸といった有機酸が含まれており、弱酸性の食品です。
金属との反応を問題視されるということは、「食品の中でもはちみつはとっても強い酸性食品なの?」と疑問に思われるかもしれません。
酸性の食品は他にもあり、もっと強い酸性の食品はたくさんあります。
レモンや酢、ドレッシングなどの食品は一般的にはちみつよりも酸性が強いものが多いです。
図はそれぞれの食品の一般的なpH値の目安を示したものです。

数値は目安であり、食品の種類や状態によって変動します。
はちみつのpHは3~4前後ですが、レモン果汁はpH2前後とはちみつよりかなり強い酸性食品だといえます。
しかし、レモンを扱う際でも金属性のナイフで切ったり、金属性の絞り器を使ったり、金属性のスプーンを使ったりします。
酢やドレッシングについても同じで、ステンレス製の軽量スプーンやボールを使って調理することがあり、金属性の調理器具に触れる機会は多いです。
それでも問題が起きていないので、はちみつに金属のスプーンを使うということは、通常の使用程度の範囲であれば、心配しすぎる必要はないといえます。
②スプーンに使用されている金属

酸には金属を溶かす性質があります。
ただし、その影響は金属の種類や接触時間によって大きく異なり、どの金属でもすぐに大きく溶けるというわけではありせん。
酸に対する強さは、金属によってかなり違います。
例えば、アルミニウムや鉄、銀といった金属は酸に弱く、長時間酸に触れることでサビや変質が起こったり、風味変化につながる可能性はあります。
一方で、ステンレスやチタンといった金属は酸に強く、日常的な使用ではほとんど影響を受けません。
ステンレスは表面に「不動態被膜」という保護膜があり、酸から金属を守る構造になっています。
現在、一般的に使われているスプーンの多くはステンレス製で、このステンレスの保護膜によりはちみつ程度の弱い酸ではほぼ影響を受けません。
そのため、スプーンですくってそのまま食べたり、ヨーグルトや飲み物に混ぜるなど通常の使い方であれば、金属が溶け出して金属臭がでたり、風味や品質に影響を与えることはほとんどありません。
ステンレスの保護膜は再生されるため短時間の使用は問題ないのですが、保護膜も完全に無反応というわけではなく、長時間の酸性食品に触れ続けると、わずかに影響を受ける可能性があります。
そのため、スプーンをはちみつの入っている瓶に入れっぱなしにするような使用は避けた方がよいです。
また、ステンレス製のスプーンの劣化や傷ついているものを使ったりすると、保護膜がしっかり機能しておらず、風味の変化を感じやすくなる場合があり、こういう状態のスプーンの使用は避けた方が良いです。
③はちみつの酵素

酵素ははちみつのたんぱく質でできており、繊細な成分で熱や強い酸・アルカリなどによって立体構造が崩れ、働きを失うことがありますが、はちみつに含まれる酵素はもともと弱酸性環境の中に存在しており、この程度の酸性で急激に壊れることはありません。
また、現在一般的に使われているステンレス製のスプーンは耐食性が高く、はちみつに短時間触れた程度で金属成分が大量に溶け出すことはほとんどないとされており、金属スプーンとの接触が原因で酵素の成分が崩れる可能性は非常に低いと考えられます。
一方で、酵素に大きく影響を与えるのは熱です。
酵素の種類によって差はありますが、加熱温度が高くなるほど活性は低下し、高温の状態や加熱によって酵素は失活してしまいます。
はちみつの酵素を気にする場合は日常使いの金属スプーンを避けることよりも、加熱調理や高温となる保存環境を避けることの方が重要です。
はちみつの保存で気を付けること

実は、はちみつの品質や風味を守るうえで、金属のスプーンを使用することよりも保存環境が重要です。
特に気を付けたいのが、高温と水分です。
高温を避ける
はちみつには花の香りや風味成分、酵素やビタミン等の栄養素などが含まれていますが、長時間高温にさらされることで、それらが失われやすくなります。
特に直射日光が当たる場所や夏場に高温となりやすい場所、キッチンのコンロ周囲などでの保存は避けた方が安心です。
保存場所は冷暗所に置く程度でよく、冷蔵庫に入れる必要は基本的にありません。
冷蔵庫では結晶化しやすくなり、白く固まる原因になります。
結晶化しても品質が悪くなったわけではないので、そのまま食べても問題ありませんが、40~50度程度の水温の湯煎でゆっくり戻すのがおすすめです。
早く戻そうと水温を上げると、はちみつが高温になってしまい品質の低下につながります。
水分を入れない
はちみつは糖度が高いため、細菌などが増えづらく腐敗しにくい食品です。
しかし、水分を吸いやすい性質があり、はちみつをすくう時に水分のついたスプーンを使用したり、ふたを開けっぱなしにしていたり、湿気の多い場所で保管すると、水分が入ってしまい発酵の原因になることがあります。
はちみつ本来の風味や品質が変わってしまうため、清潔で乾いたスプーンを使い、使用後はしっかりふたを閉める、湿気の多いところでの保管は避けることが大切です。
はちみつにおすすめのスプーン素材

はちみつは種類が豊富にあって、花蜜によっては香りが繊細なものもあります。そのためスプーンの素材によっては風味の感じ方に違いが出ることもあります。
また、はちみつは粘度が高く、瓶で保存されているものが多いため、スプーンの素材だけでなく柄の長さや形状によって、すくいやすさや手入れのしやすさも変わってきます。
普段使いでの金属スプーンが大丈夫なのはわかったけど、どんなスプーンが使いやすいの?という方やはちみつをより美味しく楽しむためにも、それぞれのスプーンの素材の特徴や100均のアイテムやおすすめのスプーンを紹介してきます。
ステンレス製スプーン
短時間の使用であれば金属の影響はほとんどないため、日常の使いやすさを重視するなら、ステンレス製のスプーンが実用的です。
ステンレス製はサビに強く、劣化しにくいのが魅力です。
はちみつは粘度が高いので、使用後のべたつきが気になりますが、ステンレスはべたつきを落としやすく、洗うのが楽です。
乾きやすく清潔を保ちやすく、食洗器対応のものが多かったり、匂い移りしにくいなど、気軽に使えて手入れのラクさを重視したい方にお勧めです。
すくうときにはちみつが切れなくて困るという方には、垂れずにすくえるはちみつ専用のスプーンを購入するのもおすすめです。
木製スプーン
はちみつ用として人気が高いのが、木製スプーンです。
ステンレス製でも通常使用は問題ありませんが、木製は自然素材のため、はちみつ本来の香りや風味を感じやすいといわれています。
ただし、木製は水分を吸いやすいため、使用後はしっかり乾燥させることが大切です。
湿ったままにしておくと、劣化やにおい移りの原因になります。
プラスチック製・樹脂製スプーン
プラスチックや樹脂製のものも、使いやすさを重視するならおすすめです。
値段も手ごろな商品が多く、使用頻度が低い方や初めてはちみつスプーンを買う方など手に取りやすい商品が多いです。
金属臭も気にしなくてよいし、軽くて洗いやすいのも実用的です。
ただし製品によっては、柔らかすぎて粘度の高いはちみつをすくいにくいことがあるので、適度にコシのあるものを選ぶと扱いやすいです。
熱や衝撃に弱いものもあり、耐久性は商品や使い方により違いますが、定期的な買い替えの必要性も考えておくとよいと思います。
また、食洗器使用できないものがあるため、購入前に食洗器対応か確認してみてください。
ハニーディッパーは使える?

先端が丸くて見た目がかわいいハニーディッパー。
ハニーディッパーは先端の溝にはちみつをからめとり、回転させながら使うアイテムです。
はちみつ専用アイテムなので、持っている方は多くはないと思いますし、「どうやって使うの?使いやすいの?」と思われる方もいると思います。
使い方はとても簡単で、はちみつの容器に先端の溝のある丸い部分をいれて十分にはちみつをからませ、くるくると回転させたまま持ち上げます。
垂らしたいところの上で回転を止め、ハニーディッパーを横向きにするとはちみつが垂れてきます。
十分な量を垂らせたら、横向きにしたままくるくると回転させ垂れてくるはちみつを切ります。
実際やってみると、はじめてでも簡単にすくって垂らすことができました。
はちみつが垂れず、さっと料理の上に持ってこられるため、保存瓶の周りベタベタになるというストレスもありません。
トーストやパンケーキ、ヨーグルトの盛り付けなどの際に使いやすいと思います。
普通のスプーンのようにすくうというよりは、はちみつを垂らして使うときや飲み物に混ぜたりするときに向いています。
そのため、料理用にたっぷりすくいたい時は不向きであったり、粘度の高いはちみつでは絡めとりにくくコツが必要で、白いはちみつやクリーム状のハチミツは普通のスプーンの方が取りやすかったりします。
瓶の底の方に残っているはちみつはなかなか絡まないため、最後まできれいに取りたいというの難しいです。
また、ハニーディッパーは溝があるため、スプーンと比べると少し洗いにくく感じる方も少なくないと思います。
溝に残ったはちみつが洗いにくくなるため、使用後はすぐお湯につけて洗うなどお手入れに注意が必要です。
トーストやパンケーキにかけるときの使用もよいですが、私ははちみつドリンクを作るときに使うのがおすすめです。
ハニーディッパーですくったはちみつをドリンクに混ぜるとき、マドラー替わりに使用でき、溝のハチミツも溶けてるので洗いやすくなります。
素材や形状はいろいろあり、木製はナチュラルな感じがおしゃれで雰囲気を楽しめますが、食洗器が使えなかったり、乾燥に時間がかかったりするため、お手入れがしにくいと感じる方は、ステンレス製やガラス製の素材のものもおすすめです。
使用用途や使いやすさなど考慮して選んでみてください。
100円ショップのアイテムは使える?
最近は、セリアやダイソー、キャンドゥなどの100円ショップでも、はちみつ用として使いやすいスプーンやアイテムが購入できます。
はちみつ用のアイテムだけでなく、シリコンスプーンやさじ部分の小さめなロングスプーンなども使いやすいです。
普段使いであれば、100円ショップのアイテムも十分に使えます。
セリア

セリアではナチュラルな木製ハニーディッパーがあります。
ハニーディッパーは見た目がおしゃれなのが魅力ですが、もち手のところにプーさんの焼き印がされていてかわいい商品です。
パンケーキやヨーグルトにかけたり、紅茶など飲み物に混ぜるときにも使えます。
はちみつを絡められる量は多くなく、かけるときも溝に残ってしまううため、1回にかけられる量は少なめです。
溝が洗いにくく、木製のため乾きにくい、柄が短く大きめの深い瓶には届きにくいなどのデメリットもありますが、試しに使ってみたいという方にはおすすめです。
ダイソー

ダイソーではプラスチック製のはちみつスプーンがあります。
ダイソーのオリジナル商品ではなく、小久保工業所(KOKUBO)の商品でAmazonや楽天市場などのネットショップでも購入できる商品です。
スプーンの部分がV字型でもち手が丸くなっており、はちみつをすくった後、くるっと回すとはちみつが切りやすいという商品です。
実際に使ってみると、スプーンを2回転くらいさせるとしっかりはちみつが切れ、はちみつボトルに入っているような粘度低めのハチミツでも使えました。
普通のティースプーンでもやってみましたが、すくうだけだとはちみつが切れるのに時間がかかったり、試しにはちみつスプーンのように回してみると、さじの部分が浅いせいではちみつが垂れてしまい、ほとんど残りませんでした。
はちみつスプーンは1回ですくえる量は多くありませんが、はちみつの切れはよいのでホットケーキやヨーグルトのトッピングなどの際には使えるアイテムです。
はちみつがかけやすいようにさじの先端部分がくちばし状に出っ張っているため、瓶の底に残っているものを最後まですくうことは難しいです。
食洗器対応でお手入れも簡単で、BPAフリー表記あり、BPAを避けたいという方にはよい商品です。
キャンドゥ
わたしの家の近くにははちみつ専用のスプーンというものはありませんでした。
インターネットの情報ではダイソーでも取り扱いのある小久保工業所のはちみつスプーンが置いている店舗もあるようです。
はちみつ専用のスプーンではありませんが、シリコーンジャムスプーンという商品があり、瓶入りのハチミツには使いやすいと思います。

さじの部分がシリコーン製で覆われていて、さじの先端部分だけ柔らかく、柄の部分はナイロン製で硬さがあるため、力も入れやすいスプーンです。
さじの部分は浅めのため、そんなにたくさんすくえませんが、瓶の底にしっかり届くので最後までしっかりすくえます。
大きさは2種類あり、大きい方は柄も長くしっかりしているため、はちみつをいれて混ぜるなどそのまま調理に使用することもできます。
はちみつスプーンのようにくるくるまわすと、さじ部分が浅めのためまわすときに、はちみつが少し垂れて落ちてしまいますが、ステンレスよりもはちみつは切りやすく2~3回まわせば切れました。
専用のスプーンではないため柄の部分が四角で回しにくいですが…。
食洗器も対応でお手入れも簡単ですし、はちみつだけでなくジャムやヨーグルト、ピザソースなどほかの食材にも使えるスプーンなので、はちみつを使用する頻度が少ない方におすすめです。
よくある質問
Q.銀スプーンははちみつに使っても大丈夫?
A.短時間使う程度であれば、過度に心配しなくても大丈夫です。
銀スプーンは高級感があり、見た目の美しさや口当たりがよく、カトラリーとして使われることもある素材です。
銀は比較的安定した金属ですが、ステンレスと比べ変色しやすい素材で、硫黄成分・水分・酸性食品などの成分によっては反応しやすい特徴があります。
そのため食べるときに使う程度の短時間であれば問題ありませんが、長時間触れた状態は避けた方が良いといわれています。
Q.はちみつ専用スプーンは必要ですか?
A.必須ではありません。
ただし、はちみつは粘度が高く、瓶で保存されている商品が多いため、通常のスプーンだとうまくすくえず垂れてしまったり、瓶の側面や底に残りやすいことがあります。
はちみつスプーンはそれらを考慮した素材や形状のため、はちみつをすくいやすく、瓶の底まで届きやすく、最後まで無駄なく使いやすいなどのメリットがあります。
専用スプーンではなくても、使えるスプーンはありますし、どのアイテムでも清潔なもの、水分を入れない、長時間瓶の中に放置しないなど注意する点は同じです。
Q.夏場は冷蔵庫で保存してもいい?
A.冷蔵庫で保存してもOKです。
はちみつは基本的に常温保存向きですが、最近は夏場の室温が高くなりやすく、保存場所に困ることもあります。
室温が高くなる、冷暗所がない、キッチン周りが暑いといった場合は、冷蔵庫での保存もよいと思います。
通常の冷蔵室より温度が少し高めの野菜室の方が、冷えすぎてしまうのを防ぎやすくおすすめです。
ただし、冷蔵庫では結晶化といわれる白く固まった状態になってしまうことがありますが、品質が悪くなったわけではないので、そのまま使ってもよいですし、ぬるめのお湯でゆっくり湯煎すると戻りやすくなります。
Q.1歳未満の赤ちゃんに、はちみつは与えてもいい?
A.1歳未満の赤ちゃんには、はちみつを与えないよう注意が必要です。
はちみつには、ごくまれに「ボツリヌス菌」の芽胞が含まれていることがあります。
大人であれば通常問題ありませんが、腸内環境が未発達な赤ちゃんでは、乳児ボツリヌス症を引き起こす可能性があります。
厚生労働省でも「1歳未満の乳児には、はちみつを与えないように」と注意喚起されています。
加熱・非加熱にかかわらず同じで、はちみつ入りの食品にも注意が必要です。
家族で食べる際は、赤ちゃんが誤って口にしないよう気を付けましょう。
まとめ
はちみつに金属スプーンを使うことは、短時間であれば過度に心配する必要はありません。
現在主流のステンレススプーンは、サビや腐食に強く、普段使いしやすい素材です。
ただし、金属スプーンが長時間はちみつに触れるような使い方は風味や品質に影響する可能性があり避けた方がよく、日頃の保存方法や扱い方にも意識してみてください。

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